PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座 第22回「涙骨賞」を募集

真宗の倫理構造

〈コラム〉風鐸2025年3月5日 10時18分

ここ10年余りの浄土真宗本願寺派は倫理を主題化しているように見える。例えば、2014年に就任した大谷光淳門主が提唱する「念仏者の生き方」「私たちのちかい」「新しい『領解文』(浄土真宗のみ教え)」にはある種の行動規範が強く説かれている◆この問題意識は光照・前々門主時代の「浄土真宗の生活信条」(1958年)、光真・前門主時代の「教書」(80年)にもみられるが、大きく前景化しているのは近年、宗教者の社会への積極的な関わりが宗教界の課題になっていることと無関係ではなかろう◆事実、本願寺派が2012年に始めた御同朋の社会をめざす運動(実践運動)は宗門関係者に社会活動を強く促す性格を濃厚に持っている。そのような倫理的姿勢を社会に示すことは当然、伝道にも関わる◆もっとも、阿弥陀如来の本願による「そのままの救い」を説く教義から直接的に規範を説明することは難しい。恐らくその倫理性はあらかじめ設定した善行の実践ではなく、信を得た後に事後的に生じる構造をとる。前記の各門主の言もおおむね「信を得たら」という論理だ◆ただ、その倫理的振る舞いが具体的にどのような形で発現するのかは不確定だろう。真宗は「生き方を問わない教え」でもある。この問題系は昨今の新しい「領解文」問題の決着のいかんを問わず、課題であり続けるように思われる。(池田圭)

写楽の謎

7月9日

「歌舞伎役者の似顔をうつせしが、あまり真を画かんとてあらぬさまにかきなさせし故、長く世に行はれず。一両年にして止む」――。浮世絵師・東洲斎写楽に対する同時代の人物による評…

いのちの言葉

7月2日

今から60年前、墨染の衣一つで横浜港からユーラシア大陸を横断して単身フランスへ渡り、坐禅一筋の布教手段でヨーロッパ全土に一大禅ブームを巻き起こした僧がいる。曹洞宗の初代ヨ…

言葉の宗教

6月25日

宗教を身体と言語という問題系で見る場合、真宗は極論すれば「言語に全振りした宗教」という性格を持っている。自力無功を説き、また「聞法の宗教」でもある◆仏が衆生救済の願を起こ…

宗教と災害支援 地域に根を下ろす活動の中で(7月9日付)

社説7月11日

鎌田東二氏逝去 越境する学者が目指したもの(7月4日付)

社説7月9日

ガザ無差別攻撃 武力信仰が支配する世界(7月2日付)

社説7月4日
このエントリーをはてなブックマークに追加