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寺発祥「酉の市」を護持 夏祭り始め地元活性化

東京都台東区 法華宗本門流長國寺

酉の市の始まりに当たって本堂前で加持する井桁住職(中央奥) 酉の市の始まりに当たって本堂前で加持する井桁住職(中央奥)

「浅草酉の市」の発祥の寺として知られる法華宗本門流長國寺(酉の寺)=東京都台東区=の井桁榮秀住職(38)は「400年間続く伝統行事の火を消さないように」と、祭りの継承に取り組む。夏には新しい祭りとして「いきいき浅草あじさい祭」を催すなど、地元の人々と協力して祭りを通じた地域の活性化に努力している。

酉の市は11月の酉の日に開かれ、商売繁盛、開運招福を願って宝船やお多福、打ち出の小づち、小判など色とりどりの縁起物で飾られた大小の縁起熊手を買い求める大勢の人々でにぎわいを見せる。境内には熊手の店が軒を連ね、購入者には店の人が威勢よく三本締めをする。

酉の市は古くから歳末の風物詩とされ、ニュースなどで祭りの様子が放送されると年の瀬を感じ、新年の準備を始める人が多いという。中でも長國寺と隣接する鷲神社で同時開催される祭りは浅草酉の市と呼ばれ、全国で最も多い人出でにぎわう。

浅草酉の市は長國寺の守り本尊・鷲妙見大菩薩に由来する。同寺は1630年、石田三成の遺子といわれる上総国鷲巣の鷲山寺13世・日乾上人が浅草の鳥越町(台東区)に開山し、69年に現在地に移転した。鷲妙見は、日蓮聖人が現在の鷲山寺の場所にあった小早川家に滞在し、国家平穏を祈願したところ、にわかに金星が動き出し不思議な力をもって鷲の背に乗り現れ出たと伝えられている。11月酉の日のことだったという。

その後、11月の酉の日に長國寺で鷲妙見の出開帳が行われるようになり、1771年に日玄上人が鷲妙見を鷲山寺から長國寺に移した。「鷲大明神」とも呼ばれ信仰を集めていたが、明治になり鷲妙見を祀っていたお堂が神仏分離令で独立し、鷲神社となった。井桁住職は「鷲妙見に始まった仏教行事としての酉の市を大切にしていかねばならない」と強調する。

井桁住職はこの伝統行事を守り続けるとともに、地域の人たちと始め、今年6月で21回となったいきいき浅草あじさい祭の定着にも取り組んでいる。

「各地で年々、祭りが少なくなっている。以前から続けられてきたほうろく灸の祈祷を基に、あじさい市を併せて健康を願う祭りにした。規模はまだまだ小さいが、地域の子どもたちにも喜んでもらえる祭りとして続けていきたい」

(河合清治)

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