PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座

親しめる諸行事を展開 「ゆるいつながり」念頭に

兵庫県尼崎市 浄土真宗本願寺派 西正寺

「お寺でのんびり過ごす日」の一こま。中平住職(左から3人目)を中心に参加者が境内で自由に過ごす 「お寺でのんびり過ごす日」の一こま。中平住職(左から3人目)を中心に参加者が境内で自由に過ごす

「テラからはじまるこれからのハナシ」「カリー寺」「お寺でのんびり過ごす日」。兵庫県尼崎市の浄土真宗本願寺派西正寺はそんなネーミングで一般の人にも親しみやすい諸行事を展開し、人々が立場を超えて気軽に集える場になっている。

中平了悟住職(47)は真宗学や中国浄土教の研究が専門。長く本願寺派総合研究所や龍谷大大学院に籍を置き、現在も龍谷大や相愛大などで非常勤講師を務める。ただ「40歳頃から軸足を寺に置きたい」と考えるようになったという。

直接のきっかけは2015年頃から地元の尼崎市で地域づくりに関する市民活動が盛り上がりを見せたこと。異業種交流行事に参加したり、まちづくり事業に関わったりするうちに様々な刺激や人脈を得て、16年4月に「お寺で社会課題を考える」を目的に有識者や専門家を講師に招く「テラからはじまるこれからのハナシ」を始めた。

さらに同年7月にはカレーを味わいながらアジア諸国のパフォーマンスや、仏教やカレーにまつわるトークイベントなどを楽しむ「カリー寺」もスタートさせた。

「カリー寺」は新型コロナウイルスの感染拡大以降は中止しているが、現在は葬儀について考える「そろそろこれからの『葬儀』の話をしよう」や、市の教育委員を務める関係で「教育について雑談する会」なども企画。毎月1回開く「お寺でのんびり過ごす日」は、中平住職がいれたコーヒーを飲みながら、その日に集まった人で自由に過ごすひとときだ。

「お寺にいつ行ってよいのか分からないと言われることが多い」との周囲の反応を受け「ゆるいつながり」を念頭に、参加の間口を広げる姿勢を大切にしている。

行事に明確なテーマや理念、立場などを設定すると、参加者の意識や行動が固定化・制度化して不自由さが生じることがある。中平住職は「ゆるさ」にはそれを打破する効用や創造性を促す働きがあると指摘し「制度に縛られないオルタナティブなものを立ち上げるのもお寺の面白さの一つにしたい」。

昨年5月、寺の護持や諸行事の継続のため門信徒以外からも浄財を募る寄付制度を始めた。「信仰とは別の文脈でお寺を居場所にしてくれる人もいる。そういう方の気持ちの受け皿を設ける試み」と説明し「寄付は向けられている期待の指標でもある。寄付をしてくれる人は10人未満と手応えはまだまだ。しかしゼロではない」と前向きに考えている。

(池田圭)

寺報『サットバ』を手にする川口正継住職㊨と日空前住職

半世紀続ける寺報 紙媒体の距離感生かし

4月18日

大阪府寝屋川市・法華宗本門流正立寺の川口正継住職(44)は、師父の川口日空(勇)・前住職が始めた寺報を引き継ぎ、季刊誌『サットバ』を刊行している。『サットバ』は1974年…

最新作「月に竹露」の前に立つ本多住職

地元の芸術向上 貢献 自然法爾を大切に指導

4月4日

浄土真宗東本願寺派妙清寺(東京都台東区)の本多良之住職は、画家として信仰心溢れる作品を生み出すとともに、絵手紙教室や水墨画教室の講師を務め絵を指導し、絵を通して地域の芸術…

「お寺と地域は切り離せない」と話す及川住職

参拝者との関係づくり励む 社会活動支える中核に

3月21日

東京都八王子市の日蓮宗本立寺は、社会活動を支える地域のハブとなっている。人々の相談事に応じるうち、おのずと活動範囲が広がり、中心軸としての機能が構築されてきた。その根底に…

縮む仏教界 「関係人口」開拓めざせ(4月25日付)

社説4月30日

「信教の自由の武器化」 変動する世界の中の宗教(4月23日付)

社説4月25日

年少化する自殺 「助けて」と言える社会に(4月18日付)

社説4月23日
このエントリーをはてなブックマークに追加