PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第22回「涙骨賞」を募集
PR
第22回「涙骨賞」を募集

オウム事件から30年 研究者・宗教家に問われるもの(5月2日付)

2025年5月9日 09時20分

オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年ということで、メディアでも多くの報道がなされた。テロ事件としての側面に光が当てられたものが多い。多くの死者・負傷者を出した事件なので、そのこと自体は当然であろう。

他方で、これが紛れもなく宗教の本質に関わる出来事であるとして、まだ十分明らかにされていない部分があることを重視する議論も少数だが見られる。その一つが国際宗教研究所・宗教情報リサーチセンター(略称=RIRC)により、3月25日に都内で行われたシンポジウムである。

このシンポジウムは「オウム真理教問題の深層―地下鉄サリン事件から30年」のテーマで開かれた。限定公開の形式であり、参加したのは50人ほどであったようだが、議論の概要は「ユーチューブ」の「RIRCチャンネル」で4回にわたって紹介される。

4時間にわたる議論は第1部と第2部に分かれる。第1部は「RIRCの蓄積をどう活かすか」、また第2部は「複雑化する情報環境を踏まえ」と題される。それぞれ3人が発題した後、かなり突っ込んだ全体討議がなされている。

RIRCは地下鉄サリン事件を契機として設立されたので、関連する資料・データを大量に収集、分析してきている。それを踏まえた第1部では、今後の課題が幾つか提起された。とりわけこの事件が、宗教研究者と宗教界にとって大きな衝撃となったことを忘れてはならないと強調されていた。

RIRCによるオウム真理教事件の研究は『情報時代のオウム真理教』『〈オウム真理教〉を検証する―そのウチとソトの境界線』(いずれも春秋社刊)の2冊に集約されている。しかし、それがオウム真理教について論じる人にさえあまり参照されていない現状が指摘された。それは社会やメディア側だけでなく、研究者側の問題でもないかとする発題もあった。

他方、ユーチューブなどのオウムアニメは300万回以上視聴されるものがあり、SNS時代には面白おかしい側面だけが若い世代に広がる危惧も示された。

カルト問題とされる出来事は次々と起こる。テロ事件に至るものはそうないにしても、社会が不安を抱き、疑念を持つような宗教関連の団体の活動は多様化している。シンポジウムではカルト問題と陰謀論、フェイクニュースとの関連などにも注意が向けられた。

社会や情報ツールは激しく変化する。これに対応するには、宗教研究者も絶えざるバージョンアップが求められるとする動画の最後の指摘は、その通りであろう。

排外主義への警戒 日常レベルの交流が重要(11月5日付)11月7日

コンビニや量販店、飲食店などに行くと、必ずといっていいほど外国人の店員がいる。ほとんどのスタッフが外国人という店も見かける。日常生活において外国人の働き手は、極めて重要な…

宗教法人の悪用防げ 信頼回復のための努力を(10月31日付)11月5日

少し古い話だが、ある地方の小さな宗教団体を取材した。修験系の新宗教で、例祭には地元の中・高齢者が集まり、行事が終われば各自が持ち寄った食物を分け合う共食の席に移る。記者も…

意思決定支援の試み その人らしさの重要性(10月29日付)10月30日

人を支える働きの中で、支援者と被支援者間の意思疎通が大事なのは言うまでもない。中でも医療や福祉・介護の分野で、また自ら意思表明が困難な重度の障がい者をケアする現場では、困…

感染対策でマスクを着け読経する入行僧(法華経寺行堂)

修法師目指し荒行始まる 宗門加行所95人入行 寒一百日水行と読経三昧

ニュース11月7日
改革案の見直しの考えに加え大谷祖廟整備の財源を問う加賀氏(左)と内局の佐々木参務(右から2人目)ら

内局、導入姿勢変えず 真宗大谷派交付金改革 名古屋教区で説明会

ニュース11月7日
「宗教の中国化」を分析 櫻井所長が講演 京都仏教会研究会

「宗教の中国化」を分析 櫻井所長が講演 京都仏教会研究会

ニュース11月7日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加