PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第23回「涙骨賞」を募集

袈裟衣は心にこそ 社会の現場での僧侶の装い(6月19日付)

2026年6月24日 09時44分

「僧衣を着て医療機関へ傾聴活動に行くと『坊さんが来るとは縁起でもない。まだ死ぬのは早いのに』と敬遠される」。宗教者の病院での支援活動が日常的になった今でもまだそんな話を聞く、と病床へ普通に活動に通うある住職が打ち明けた。状況はかなり変わってきているとはいえ、この問題の根は深い。

まずは、「袈裟衣から葬儀を連想する」という偏見が世間にあるからだというなら、なぜそんな「偏見」が生まれたかを顧みる必要がある。葬儀を含む法要などの法務以外で、日常的に僧衣を着た仏教者が様々な場所で人々に接し、支える活動をするのが以前から社会で普通であったら、そんな反応は起こらないだろう。

では今なおそういう状況下であることを前提に、どのような姿で医療現場へ赴けばいいのか。苦しむ患者らに接するのに、そもそも袈裟衣がいいのか。いわゆる「説教」に行くのでもなければ、病床で法要をするのでもないのだから、かしこまった法衣は不要だろう。

また本当に病床で患者らを支え、苦しみ悲しみを傾聴するためには、面会していきなり「辛いことはありませんか?」では全く通じない。例えば医療行為ではない身の回りの世話をするなどで気心が通じることが前提だ。実際に末期患者が暮らすホスピスでは、仏教チャプレンなど施設勤務の宗教者たちは「雑用係」を自任する。

ならば、当然に働きやすい服装が自然だろう。失礼にならない程度に例えば作務衣でも、病院の職員服でもいい。そもそも仏教的にはそれは作務であるかもしれないし、第一、袈裟衣を着けていなければ僧侶としての体面、アイデンティティーが保てないようなら、初めから現場へは出て行かない方がいい。「世間の寺離れ」を言う前に「寺の世間離れ」が問題だ、と少しでも世間に関わる仏教者は強調する。

当たり前だが、「宗教者らしさ」はその服装、外観にあるのではなく、教えと信仰に基づいた利他の行動にある。災害現場や地域食堂、困窮者支援など様々な現場で働く僧侶は、ジャージー姿で泥だらけ汗まみれになりながら、「袈裟を心に着けている」のがはっきり見て取れる。

ちなみに冒頭の住職は、檀家への月参りの帰りに病床を訪ねる際、略式の法衣であることも多い。相手には何の違和感もなく、「今日も檀家回りお疲れさま」と声さえかかるのは、それだけの深い付き合い、関係性が成り立っているからにほかならない。

核のゴミ最終処分場 未来の子孫の安全を(10月30日付)11月4日

原発の使用済み核燃料を最終処分するフィンランドの「オンカロ」に同国政府から操業許可が出た。地下400㍍、延長5㌔㍍の坑道から掘った竪穴の土中深くに最大6500㌧もの核のゴ…

AI僧の登場 学び合えるのは人間同士(10月28日付)10月30日

ロボットにAI(人工知能)を搭載したAIロボットが登場した。AIに仏教の知識を詰め込んだロボット僧も試行されている。人間の悩みや苦しみに対して、ロボットがブッダの教えを示…

ICCを守ろう 国際社会の法の支配(10月23日付)10月28日

米国のトランプ大統領は国際刑事裁判所(ICC)を敵視し、2020年以来繰り返し検察官・裁判官への制裁を重ねてきた。26年8月18日には赤根智子所長ら2人を制裁対象にすると…

挙手で採決を行う議会

審査会開催、管長に要望 前内局の金融保険問題 黄檗宗臨宗

ニュース11月5日
鳥井奉賛会長㊨に表札を手渡す加藤宮司

遷宮へ奉賛会発足 住吉大社

ニュース11月5日

法然門流研究の課題 若手研究者らが議論 龍谷大世界仏教研究センター

ニュース11月5日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加