PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

AIの進化の方向 「人間」の領域との関係(10月3日付)

2025年10月8日 09時00分

AIの発達は文字通り日進月歩といえるスピードのようだ。いまや対話型生成AIは人間的に好感の持てる話し方で質問に答えてくれる。AIがお釈迦様に成り代わればどう教えてくれるだろうか?

アバターでもいいからローマ教皇に個人的に接見してもらえないものか。AIならできるだろう。そんな発想が生まれてもおかしくはない。

実際、バチカンの教皇レオ14世にその許可を求めた人がいた。教皇ははっきり「許可しません」と答えたという(カトリック系オンライン新聞Cruxに転載されたレオ14世インタビュー)。そこでは触れていないが、就任直後の記者会見で教皇がアフリカの某軍事政権指導者にエールを送ったフェイク動画が作られ、バチカンが急いで否定する一幕があり、悪用を警戒したようだ。

故教皇フランシスコ以来、バチカンは人工知能の可能性を評価するとしつつ、AI技術の暴走を警戒してきた。いち早く2020年には、バチカンの主導によってRome Call for AI EthicsというAI倫理に関する文書も発表されている。

米国の世論調査研究組織・ピュー研究所の最近の調査によれば、多くのアメリカ人はAI利用の増加に懸念を抱いており、AIの活用方法をもっとコントロールしたい、と考えているという。

日常生活をAIに支援してもらうことには前向きだが、AI依存が人間の創造的に考える能力や有意義な人間関係を築く能力を低下させると懸念する人の方がはるかに多い。

一般的に、人間あるいは人間性の独自の領域にAIが介入することには否定的である。アルバニアでAIを閣僚に「起用」したというニュースが話題になったが、この調査では60%がAIは国家統治の決定に役割を果たすべきではないと答えている。神への信仰についてAIはいかなる形でも助言すべきではないという答えは73%に達する。AIが示す判断が信頼できるかどうかは別にして、多くの人は「便利な道具」以上の役割を期待しない。それがいまのところAIに関する一般的な感覚といえるかもしれない。

AIの進化の方向を我々が見通しているかというと、自信を持って予測できる人は多くあるまい。AI技術の高度化を人間の理性や叡智によってコントロールできるかどうかも疑わしい。一部の意欲的な研究者は必ずや神の領域を目指すであろうが、その結果が「人間」の幸福につながるかどうかは問われるべきだろう。

「何もしない」危うさ 断絶と排除を弱めるには(4月1日付)4月3日

紛争やヘイトが頻発する世界状況を反映してであろうか、このところ断絶をテーマにしたシンポジウムや講演会の類が多い。昨年12月21日には日本学術会議主催公開シンポジウム「分断…

大震災15年を超えて 真の「復興」はまだまだ(3月27日付)4月1日

東日本大震災から15年を超えたが、岩手・宮城・福島の被災地では政府が主導して進めてきた復興の問題点があちこちで指摘された。生業の復活、生活再建が立ち行かないことから人々の…

低信頼社会の世相 伝統仏教寺院の強み(3月25日付)3月27日

昨今の特殊詐欺事件を見ると、実に手の込んだものが多い。高齢者だけではなく、働き盛りの人間や若者までも標的にされている。摘発が難しいのは「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュ…

柳澤院長(右から3人目)と瀬川門跡(その左隣)らと内局

早大文学学術院と提携 仁和寺、学術面で5年間 所有文化財、研究進展期待

ニュース4月6日
今臨宗で退任の意向を表明する増田総長

増田総長、今月末に退任 任期と宗務の弊害解消へ、23日に後任選出 正副議長に松原氏、鼎氏 高田派臨宗

ニュース4月6日
密厳流遍照講の規程改正の意図を述べる三神宗務総長

【特報】真言宗智山派定期教区代表会 御詠歌の灯、次代へ継承 指導師範に「詠朋」新設 檀信徒教階取得の年限短縮

ニュース4月6日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加