PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

故郷の大切な記憶 震災被災地で写真保存(1月16日付)

2026年1月21日 09時34分

能登半島地震から丸2年。甚大な被害があった石川県珠洲市に昨春オープンした「スズレコードセンター」は失われつつある奥能登の風土、文化や風習、災害の教訓を記録する施設だ。若いスタッフらが設置・運営し、多くの写真や映像、文書などをデジタル化して保存するとともに展示もしている。

写真の再生保存といえば、今年15年の東日本大震災でも各地でボランティアが実施した。津波に流されて泥だらけになった様々な家庭のアルバムなどが洗って修復され、公共施設などで公開されている場所には、住まいも家族さえも失った人々が震災前の暮らしの手掛かりを求めてたくさん訪れた。

仙台市の荒浜では、被災した街の写真館主が地域の被災者たちの思い出の写真を集めてプレハブのハウスで展示し、また「これからの故郷の希望に」と祭りなど復活した郷土の催しを撮影し続けていた。宮城県気仙沼市では、女子学生が中心になって被災者が辛うじて保管していた被災前の街の写真と証言を集めて『んだんだ(そうだそうだ)本』を作った。

津波とその後の復旧で空地だらけになった街並みを見て「ここは確か、あのお店だったね」「んだ」と思い起こしてもらうためだ。「被災前も後も、未来もつながっているんです。つらい震災を思い出さないことで、懐かしい以前まで忘れることは悲しい」という。

災害でたとえ破壊されても、住み慣れた故郷の景色への思いは強い。そこで寺院などがランドマークであることも多い。能登でも各地で避難所暮らしの住民から「産業も壊滅して若い人がどんどん出ていき、寂しくなるけど、それでも生まれ育ったこの地に住み続けたい」との声を何度も聞いた。

復興の著しい遅れで、被災地奥能登4市町の人口は1割も激減した。開設前から市民が次々と写真などを持ち込み多くの訪問者がある同センターは「茶話会」や復興について考える集まりなど住民交流イベントも催し、地域のつながりを取り戻す意志が明確だ。

これに比べ困難な状況なのが福島県。国策で立地した原発の事故によって住民たちが故郷を捨て長年の避難を強いられた。挙げ句にようやく帰還しようにも、やはり国策の「復興」の大号令による先端産業を軸にした巨大開発で、かつての街並みが跡形もなく消滅しつつある。津波被害とは無関係な市街地もだ。

珠洲の同センタースタッフが「能登らしさが失われないような、本当の復興にしてほしい。そのために役立ちたい」と強調した言葉が胸に響く。

やまゆり園事件10年 いのちと共生考える契機に(7月15日付)7月17日

相模原市緑区の重度障がい者福祉施設「津久井やまゆり園」で2016年7月26日、「障害者は生きる意味がない」との趣旨の優性思想を主張する元職員が入所者19人を刺殺、入所者・…

皇室典範改正案 国民の総意はどこに(7月10日付)7月15日

皇族数確保を目指す皇室典範改正法案は参議院に審議の場を移す運びだ。内容は、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保ち、②旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えるという二つの柱か…

戦犯者の叫び 戦争の不合理を繰り返すな(7月8日付)7月10日

敗戦後80年の節目といわれた昨年から一年が過ぎる。戦争の記憶から年を追うごとに遠ざかる一方、世界各地で新たに引き起こされる戦争で数限りない人々が死と抱き合わせの悲惨な現実…

田中総長、8月末で辞任 選管委、選挙日程決定へ 融通念仏宗通常宗議会

ニュース7月21日
慰霊法要を勤める日中友好宗教者懇話会の僧侶有志

花岡事件の犠牲者供養 宗懇、今後も日中友好へ努力

ニュース7月21日
初披露の大正大学音頭で踊る住民ら

100周年記念「音頭」披露 大正大盆踊り

ニュース7月21日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加