供出の喚鐘戻る 奥山住職「最後の帰還兵」 滋賀県甲賀市・誓光寺
2025年5月27日 09時30分

滋賀県甲賀市の浄土宗誓光寺で、戦前に金属資源の不足を補うために供出した喚鐘が終戦から80年を迎え、このほど「帰還」した。
1月に山口県長門市の一般家庭から「江州信楽朝宮上村 誓光寺」と刻まれた喚鐘があると連絡を受け、3月に奥山善文住職らが赴いて同寺に持ち帰った。
喚鐘は1688年の制作で高さ63㌢、口径38㌢、胴回り115㌢。1941年8月、武器生産に必要な金属を確保するために公布された金属類回収令によって供出された。奧山住職は祖父から「兵隊さんと同じように檀信徒皆で合掌してお念仏を称えて見送った」と聞かされたという。(詳細は2025年5月23日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)