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笑いと教え 法話の基に プロレスから気合学ぶ

岡山県真庭市 真言宗御室派福王寺 小谷剛璋住職

キラリ 頑張る寺社・宗教者・宗教施設2024年12月6日 09時25分(2024年12月10日 09時15分更新)
祖父と父の笑いを織り交ぜた法話が原点にあると話す小谷住職 祖父と父の笑いを織り交ぜた法話が原点にあると話す小谷住職

小谷剛璋・真言宗御室派福王寺(岡山県真庭市)住職は「もう一度会いたいお坊さん」を決める法話のイベント「H1法話グランプリ2023」での優勝を機に増えた法話の依頼に応え、全国に足を運ぶ。法話を組み立てるときは笑顔になれる面白い話であることと、宗祖弘法大師の教えをどのように織り込むかを工夫し、本番直前まで練習を重ねる。

自坊は岡山県北部の蒜山高原の山中にある。先々代住職の祖父・重俊氏は参拝に来てもらうため知恵を絞り、法話会を企画して観光バス会社に掛け合った。父の俊璋・名誉住職もこの取り組みを受け継ぎ定期的に法話会を開いた。団体参拝で訪れた人々が祖父と父の法話を聴き、本堂から響いてくる大きな笑い声が耳に残る。法話は葬儀の後に神妙な顔で聴くものだけではないと感じている。

中学卒業後は高野山高、種智院大に進学。その後は総本山仁和寺(京都市右京区)で約10年間、団体参拝の案内などに従事した。

西国三十三所・23番札所の高野山真言宗勝尾寺(大阪府箕面市)にも奉職した。同寺には参拝者が絶え間なく訪れ、祈願や供養が1日に10座近い日もあった。自分にとっては1日に何度もあるお勤めでも、人々の祈りは一度きり。病気に苦しみ、命を懸けて来る人もいる。その気持ちを一心に背負い、モチベーションを下げないように一座一座向き合える方法はないかと考え、大好きなプロレスに学んだ。半鐘をゴングに見立て「今日は後楽園ホールだ」「今日は東京ドームだ」などとイメージして気合を入れ、一回きりしかない試合に挑むかのように入堂、全力で拝むように心がけた。

新日本プロレスのSHO選手を応援している。生きづらくギスギスした現代社会で常識の真逆を突き付けて見せるところや、悪役を演じきる姿に魅力を感じ、法務の合間に試合にも足を運ぶ。

2018年に住職に就任した。自坊の本尊は菅原道真の念持仏・薬師如来像。仁和寺を開いた宇多法皇に重用された道真の亡き後、弥宗僧正が鎮魂のために全国行脚し、蒜山に薬師如来像を祀って寺(後の福王寺)を建立した。

住職になってから、大寺院では感じなかった田舎のお寺ならではの困難にも直面する。一方で人との距離は近く、テレビやラジオに出ると、近所の人々から「頑張っているなあ」と声を掛けられることが励みだ。

(磯部五月)

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