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中外日報社「宗教文化講座」

和を重んじるとは 異なる価値との付き合い方(2月13日付)

2026年2月17日 09時52分

21世紀になって目立ってきた反グローバリズムの動きは、グローバル化の望ましからざる面に対する異議申し立ての側面がある。ところが反グローバリズムの名の下に、共生社会への批判、移民排斥、さらには外国人へのヘイトといった過激な動きも増えてきた。こうなると、グローバル化の好ましからざる面を是正する動きとはとても言えない。

特に気を付けなければならないのは、それらの主張の中に、まったく根拠のない言説がちりばめられている場合である。そこには日本社会の歴史的な出来事に関する荒唐無稽な言説が交じり、昨今の出来事に関するフェイクニュースを作り上げる例がある。厄介なのは、それらが人間が遺伝的に継承している不安や恐れへの反応を巧みに利用している点である。

社会的に確かなものとして継承されてきた記憶さえ、意図的に塗り替える行為には警戒しなければならない。外国人へのヘイトスピーチの中には、日本が単一民族であるとか、日本は他国を侵略したことはないといった、検証に堪えない主張もしばしば見られる。

日本に居住し、働く外国人は増える一方だ。当然、日常的に見られる宗教状況も多様となる。異なる宗教習慣や宗教生活を日本で営む人も増えると、それに対する感情的反発が一部には生じる。モスクの建設やムスリムの土葬に対して地域住民の中に拒否反応を示す人が出るなどはその典型である。その中には土葬は不衛生であり、日本ではずっと火葬であったといった、過去の葬送習俗への無知のままに不安をあおる発言もある。

今後、日本社会にますます多様な宗教文化や宗教習俗が混在するようになるのは必至である。その時に予め予想される行き違いをなるべく少なくすべく智慧を働かす必要がある。日々多くの人と接している宗教家は、何が問題になりそうかについて知り、トラブルを避ける方法を探れるはずである。

宗教施設の建設にしろ、埋葬法にしろ、互いの宗教文化に対する理解の乏しさが感情的反発の一因であるのは間違いない。日頃から地域の人々と意見を交わし、日常生活において、問題になりそうな事柄の根を感知することはこれまでになく重要である。

「日本人は和を重んじる」という時、これは美徳とされる。その言葉を、異なる習俗・習慣の人たちの考えも大事にすると解釈するか。それとも日本に住むなら日本の習俗・習慣に従って、周囲と同じようにしなさいと解釈するか。少なくとも宗教家は前者であってほしい。

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