PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

原発事故から15年 避難者らのいのちの訴え(2月20日付)

2026年2月25日 09時26分

東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発の事故から3月で15年だ。残留する超高濃度汚染物質の取り出しなど廃炉の見通しは不透明、当初政府が発出した原子力緊急事態宣言も広大な帰還困難区域が残る中で解除のめどは立たない。そんな中で今なお3万人近くが全国に避難中、そして苦難の生活を長年強いられた避難者たちが各地で国と東電を相手取った損害賠償訴訟を粘り強く続けている。

終わらない原発事故を巡る全国二十数カ所の裁判には宗教者も含めた多くの支援者がいるが、2022年6月に最高裁が四つの上告審で国の責任を否定する判決を出して以来、各地裁など十数件では原告住民の主張を退ける不利な判決の流れが続いており、1月にはまた最高裁で同様の判決が出た。

下級審が最高裁判決を忖度、コピーするなら何のための三審制、司法の独立は?との疑問が当然出てくるが、各訴訟での原告の主張は、原発を推進した国策と事故後もなお再稼働を進める東電の姿勢に対して人権、安全に生きる権利を掲げ、科学技術妄信や経済優先を根底的に批判する重い訴えだ。

大阪地裁での関西訴訟の昨年末の結審では、弁護団が被告の責任を立証した最終弁論に続き、母子で避難した原告代表の主婦の意見陳述が際立った。

放射能被ばくの危険からパニックになって「自主避難」したのでは決してなく、幼い子供が屋外で遊べないような状況で育児も生活もできないので「自力避難」した。「避難するかしないかの選択肢があったのではなく、被ばくし続けるか、それとも嫌なら避難するかという、どちらも選びたくない二つの苦痛を、平穏な生活の場で強制的に選ばされたのです」と。

原告らは一貫して同様の訴えをしてきたが、被告の国・東電側は例えばある尋問の際、市の広報誌に危険だとの記事があったのか、自分で放射線量を測ったのか、避難しない住民もいるなどと、さまつで的外れな質問を繰り返し、まるで「勝手に避難しただけ」と言わんばかりだった。原発がそれほど安全で有益というなら根拠を挙げてそう堂々と論じるのが筋だが、現に大事故を起こしてさすがにそれは無理だったのか。

事故前一緒に暮らした家族と離れ離れにされた主婦は、その重い陳述を「避難してから14年間ずっと考え続けたことです」と明かした。生活の全てを奪う原発事故が一個の人間をこのように強くする。「裁判で問われているのはいのちの尊厳、人権、文明の在り方だ」。傍聴した宗教者はそう指摘した。

戦犯者の叫び 戦争の不合理を繰り返すな(7月8日付)7月10日

敗戦後80年の節目といわれた昨年から一年が過ぎる。戦争の記憶から年を追うごとに遠ざかる一方、世界各地で新たに引き起こされる戦争で数限りない人々が死と抱き合わせの悲惨な現実…

急ぎ足の憲法改正論議 初心を忘れてはならぬ(7月3日付)7月8日

日本国憲法が公布された1946年11月、当時の内閣が小冊子『新憲法の解説』を公刊した。吉田茂首相が「民主主義憲法は国民の総意によって作られ、国民の総意によって解釈されるべ…

ツーリストシップ精神 互いの尊重、思いやりを(7月1日付)7月3日

「ツーリストシップ」という言葉をご存じだろうか。旅行者と旅先の土地の人々との融和を目指す精神だ。各地で観光公害、オーバーツーリズムが問題になる中、近年特に外国人観光客が激…

鈴木包一副貫首

永平寺副貫首に鈴木氏

ニュース7月10日

贖いの2千年紀へ協働を 教皇レオ14世 全地総主教庁と使節交換

ニュース7月10日

曹洞宗宗立専門僧堂 9~12月仏に開設 外国籍僧侶向け 国際教線拡大に期待

ニュース7月10日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加