世論と政府の意思表示 平和を願う国民の声(4月8日付)
イスラエルと米国によるイラン攻撃は2月28日に始まったが、日本の世論調査では「支持しない」という答えが圧倒的多数を占める。3月6~9日に行われた時事通信社の調査では「米国とイスラエルによるイラン攻撃を支持しない」が75・1%、支持すると答えた人が7%だった。14~15日の朝日新聞の調査では「米国のイラン攻撃を支持しない」が82%、支持するは9%。さらに21~22日のANN世論調査では「アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を支持しない」は86%、「支持する」は7%だった。平和憲法を持つ日本の国民の姿勢がよく表れている。
日本の世論はイスラエルと米国によるイラン攻撃を過ちだと見なしており、その見方は戦争に関わる事実関係が見えてくるに従って増加している。興味深いのは、日本政府は「アメリカとイスラエルによるイラン攻撃を支持しない」という方向での意思表示をまったくしておらず、3月19日に訪米してトランプ大統領と会談した高市早苗首相も、米国やイスラエルのイラン攻撃を批判するそぶりも見せず、トランプ大統領があたかも平和の鍵を握るかのような発言をしていることである。しかし「米国とイスラエルによるイラン攻撃を支持しない」という日本の世論調査の結果は世界に発信されており、米国やイランをはじめ世界各国の政治家や報道機関、アナリストはそれを考慮に入れているはずだ。
イラン戦争の停止を求める声明は地方自治体でも採択され、キリスト教、仏教など多くの宗教団体や宗教連合団体から発せられている。それらの中ではイランによる米国軍事基地を持つ近隣諸国への攻撃への批判も含まれている。だが、それらの前提として、この戦争を開始したのはイスラエルと米国であり、両国によるイラン攻撃が過ちだと批判することに力点があるのは明らかだ。
日本政府はこうした世論の動向を知らないはずはない。一方、米国とイスラエルのイラン攻撃を支持できないことを政府が明確に述べている国は、ヨーロッパをはじめ少なくない。日本政府は異なるが、そうした現在の日本政府に対する国民の支持率は大変高いままである。平和への意思表示を政府に求めていない国民も多いようだ。米国との同盟関係が崩れることを懸念してだろう。
だが、平和を巡る日本の世論と政府の意思表明が食い違っていることは好ましくない。平和への意思表示をしている宗教者や宗教団体もこうした状況を克服する方途を考えてほしいものだ。








