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自坊を国際交流の場に 英語教室や外国人支援

岩手県花巻市・浄土宗鳥谷寺 吉水香教副住職

英語教室を聞くなど国際交流を進める吉水副住職(後列左端) 英語教室を聞くなど国際交流を進める吉水副住職(後列左端)

宮沢賢治ゆかりの岩手県花巻市にある浄土宗鳥谷寺(吉水正教住職)で、吉水香教副住職は同寺を「まちの葬儀場」から地域の人々や定住外国人、外国人観光客との共生の場とすることを目指している。

1695年開基の同寺は僧侶が不在で、弔事のたびに様々な宗派の僧侶が出入りし葬儀を営んでいたが、後に浄土宗寺院となった。現在、子どもの学習の場やコンサートとお話会をはじめとした憩いの場、文化交流を深める定住外国人との交流の場(「ともいきサロン」)を提供している。

吉水氏は地域活動にも積極的で、子育て支援グループ代表や児童養護施設評議員、スケート指導員、英語教室講師などを務める。

国際交流にも意欲的に取り組む。花巻市と米国バーモント州のラットランド市は姉妹都市の関係にあり、吉水氏は友好協会会長に就任。花巻国際交流協会理事や多文化共生委員としても活躍している。

「幼い頃から外国語に興味があり小学生の時は塾で学び、高校では英語やスペイン語を学んだ」と振り返る吉水氏は、米国の大学を卒業した後、メキシコやパラグアイで日本語を教えた。帰国後、28歳で大正大に入学し2006年に副住職に就いた。

海外生活ではキリスト教やユダヤ教、異文化に触れ、多様な価値観や人生観などを学んだ。「米国の教育機関では働きながら大学に通う人もいれば、ステップアップのために大学に入る人も多い。生涯学習が根付いており、その大切さを理解した」

得意の英語や外国への興味を寺でどのように生かせるかを考えた結果、英語教室の開講、外国人観光客の受け入れや定住者の支援を決意したという。

吉水氏の活動には恩返しの側面もあり「海外での約10年間の学びは多くの人の支えがあった。今まで何事もなく生きてきたが、今度は外国の方を支援し、お寺の生活や日本の文化、習慣を体験してもらいたい」と考えている。

その上で吉水氏は浄土宗寺院としての布教の役割と、地域の人々や外国人が多く訪れる場をどのように両立させるかという課題があると指摘する。「いろんな人に来てもらいたいが、同時にお念仏のみ教えをどのようにして伝えていくかを考えていきたい」と語った。

(椎葉太貴)

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