PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座 第22回「涙骨賞」を募集

第2次政権の宗教化? どうなる米の「宗教の自由」(2月19日付)

2025年2月21日 09時31分

トランプ大統領は7日、大統領令によってホワイトハウス信仰局(Faith Office)設立を発表した。局長には福音派のテレビ伝道者で「繁栄の神学」の信奉者であるポーラ・ホワイト氏(58)を任命した。

アメリカは合衆国憲法修正第1条で「国教樹立」を禁じるが、国家と宗教の関係は、国家の宗教的中立性を保つフランスの政教分離(ライシテ)とは異なる。このたびの大統領就任儀式もキリスト教的な要素を色濃く残している。

大統領府には「信仰局」の前身組織「信仰に基づく近隣パートナーシップ」事務所があった。第1次トランプ政権下では「信仰と機会イニシアチブ」センターに改組されたが、バイデン政権で復活。しかし再選されたトランプ氏は「有害な大統領令」に基づく組織として解散させていた。「信仰局」に関する大統領令は、宗教団体等は「家族を強化し、コミュニティーを活性化するため不可欠」であり「そのような組織と連携する機会を歓迎する」(第1条)と明記。反ユダヤ主義、反キリスト教などの偏見と闘う、としている。

別に「反キリスト教的偏見」を根絶するため司法長官の下に「専任チーム」を設けると発表した。ロイターによると、偏見・差別根絶の例としては司法省や内国歳入庁、FBIに言及したという。

世論調査ではトランプ氏は米国民から宗教的な人物とは見られていなかった。氏に期待する福音派との政治的関係はかねて指摘されてきたが、今回の選挙戦の狙撃事件以降、神の加護について語ることが目立つ。事件が宗教的体験になったのか第三者には分からない。

しかし分裂を深める社会の一方からの強力な支持は大統領再選に有効に働いた。「反キリスト教的偏見の撲滅」や「信仰局」開設、米キリスト教界の一部で異端視される特異な存在のホワイト氏(旧統一教会とも親しい)の責任者起用はその延長線上にある。

偏見撲滅や信仰局の活動はホワイトハウスの発表や各種報道を見る限り国内に向けられている。だが第1次政権のポンペオ国務長官が「宗教の自由の保護は外交政策の中心」と断言する国柄。外交圧力を効果的にするため2020年に「国際宗教の自由または信仰同盟(IRFBA)」も組織した(加盟38カ国。日本は「友人」)。

必ずしも全て同調はできないトランプ流の「宗教の自由」の基準は海外にも向けられる可能性は大きい。米国で重みを増した「宗教の自由」がどのような形をとるか。日本も干渉的圧力と無関係とは言い切れないと危惧される。

被爆者が語る実相 悲惨であっても直視を(8月20日付)8月22日

被爆80年の広島で、原爆によって伽藍が壊滅し、親族や檀家も数多く犠牲になった寺で小中学生にも惨禍を語り伝える住職の言葉が衝撃だった。伝承の場で中には気分が悪くなったと訴え…

保守分裂下の戦後80年 社会の「分断」傾向を憂慮(8月8日付)8月20日

間もなく、終戦80年の日を迎える。この80年間、世界のどこかで絶えることなく戦争、紛争が続き、今はロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ攻撃の惨禍が連日報じられている。…

無言の“被爆伝承者” 惨禍物語る宗教施設遺構(8月6日付)8月8日

広島・長崎への原爆投下から80年を経て惨禍を実際に知る被爆者が減り、初めて10万人(被爆者健康手帳所持者数)を下回った。語り部活動は、2024年度で1560回に計10万2…

大雨、寺社に被害 九州中心浸水多数 宗像大社の欄干壊れる

ニュース8月22日
正午、佐藤市長と藤上住職が鐘を撞き平和を祈った

【戦後80年】250カ寺、同時に鐘撞き 平和祈り戦没者追悼 大津市仏

ニュース8月22日

ガザなど人道支援従事者 昨年383人が犠牲、3割増 国際社会の不作為告発 国連OCHA発表

ニュース8月22日
このエントリーをはてなブックマークに追加